新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、“コロナ離職”をしてしまった方や、働き方を見直そうと考えている方もいるのではないでしょうか。
コロナ禍でも安心して働き続けられる業種や職種を考えたとき、未経験業種への挑戦や職種転換が頭に浮かぶ方もいるかもしれません。
しかし、経験がないと、「どんな業種や職種が自分に合っているのか分からない」「本当に自分にできるのだろうか」「長く働き続けられるかな」といった不安がありますよね。
そこで大切になるのが「自己理解」です。
自己理解ができていないと、自分が何をしたいのか分からないまま仕事を選んでしまい、入社後に「思っていたのと違った…」というミスマッチが起きてしまいます。
また、仕事を選ぶ基準も明確になっていないので、自分の考えがぶれてしまい、何を選んでも納得がいかない…なんてことにもなりかねません。
本記事では、自分に合う仕事選びで重要な「自己理解」の基本的なステップを紹介していきます♪
目次
STEP1.何のために働くのか、なぜ働くのかを考える(価値観)
お金のため、家族のため、誰かの役に立ちたいから…など、働く理由は一人ひとり違います。「自分は何のために働くのか?」を考えるときのポイントは、「自分は何を一番優先したいのか」です。ここの考えがぶれてしまうと、仕事選びもぶれてしまうので、まずはしっかりと「優先したいこと」を決めていきましょう。
たとえば…
- 子どもがいるから、夜勤がなくて土日休みの仕事がいい
- 運転に自信がないから公共交通機関で通える範囲にある会社がいい
- 正社員として働きたい
- 家業を手伝っているから、Wワークできる会社がいい
- 人間関係を最重要視したい
- やりがいがあれば、収入はさほど気にしない
など、まずは思いつく限り書いてみましょう。
そして、書き出した内容に優先順位をつけていくことで、仕事選びの条件(基準)が整理できます。
条件の優先順位を明確にしておくと、求人情報を見るときに「どの求人が自分に合うか分からない」「どの求人に応募すればいいか分からない」状態から脱することができます。
また、「この条件さえクリアしていたら応募する」など、自分の中での応募ポイントも決めておくと、仕事探しがしやすいかもしれませんね。
STEP2.何に興味があるかを考える(興味・関心)
次に、自分は何に興味があるのかを考えてみます。
あなたが好きなことや、やってみたいことは何ですか?
「動画を観るのが好きで、動画制作に興味がある」
「人と接するのが好きで、初対面の人でもすぐに会話が弾む」
など、人それぞれ好きなことや得意なこと、興味のあることがありますよね。
自分にとっての「幸せ」は何かを確認し、自分の人生の方向性(将来像)まで考え次の仕事を決めることで、「満足できる職業選択と生きがい」につながっていきます。
STEP3.何ができるかを考える(能力)
次に、自分の「能力」について考えてみましょう。
人生経験、特に職務経験のなかで、様々な能力を身につけてきているはずです。
それは、職種・職務に応じた専門的な知識・技能といった【専門能力】などもあれば、仕事の内容に関係なく、どんな仕事にも通用する【共通能力】もあります。
例えば、
・リーダーシップや自分で目標を達成するための行動を行う力
・業務を計画する力(段取り力)や管理能力
・効率や生産性を考えて業務を進めるコスト意識/時間管理力
などの「共通能力」が、就職活動において重要な「強み」になります。
特に、未経験の職種に応募する場合は、【共通能力】でアピールする必要があります。
このように、自分は何が得意なのか、自己理解を通して明確にすることで、就職活動におけるアピールポイントにつながります。
STEP4.どんなことをしてきたかを整理する(職務経歴)
次に、過去の仕事内容を振り返り、整理するために「職務経歴の棚卸」を行います。
「今までどのような仕事をしてきたか?」「そこではどんな風に業務に携わってきたか?」という視点で過去の職務経歴の棚卸をし、整理することで、経験・実績・知識・身に付けたスキルなどが明確になっていきます。
仕事の内容は、一日の仕事の流れを思い出しながら、具体的な中身をできるだけたくさん書き出します。「事務仕事をした」というざっくりした内容ではなく、「アンケート結果をエクセルに落としこんだ」「報告書用にグラフにした」「結果を分析して報告書にまとめた」など、できるだけ具体的に書いていくことがポイントです。
そうすることで、自分のアピールポイントを見つけやすくなり、応募書類や面接で、具体的な事例をもとに説明することができるようになります。
STEP5.取組み姿勢や仕事の結果を整理する
職務経歴の棚卸をしたら、工夫した点(どんな工夫をしたのか)、心がけた点、頑張った点を【取組み姿勢】として書き出していきましょう。加えて【仕事の結果】など出来るだけ具体的に書いてみましょう。
例えば、「仕事を依頼されたとき、結果報告だけでなくこまめに中間報告をすることで、やり直しを減らし、短時間で業務が完了するように心がけた」といった内容を記入します。
続けて、「その結果、上司から“安心して仕事を任せられる”と信頼の言葉をいただいた。」という風に、結果も記入します。
評価は自分がするものではなく、他者がするものなので、できるだけ【第三者エピソード】が入ることが望ましいです。主観だけになると「自慢」に見えてしまうことも、第三者エピソードが入ることで根拠・裏付けとなり、応募書類や面接で納得感を持たせやすくなります。
応募書類や面接で自己PRをするときのポイントは、「相手(企業・採用担当者)が知りたい情報を、分かりやすく伝えること」です。
そのため、具体的な例を挙げることで、分かりやすく伝えられるようにしましょう。
最後に、STEP1~5で整理してきた「価値観」「興味・関心」「能力」「職務経歴」等から希望条件を考慮し、職業選択の方向性を決めていく、というのが「自己理解」の基本的なステップです♪
まとめ:自己理解を深めて自分に合う仕事選びをしよう!
ここまで紹介してきた「自己理解を深める」ためのツールとしておすすめなのが、「ジョブ・カード」です。
「ジョブ・カード」とは、自分自身のことを理解して、将来どのようなキャリア(職業人生)を目指したいのか、そのためにはどうすれば良いのかを考えるためのツールです。これまでのキャリアを振り返り、経験から得たことや、活かせる能力・強みなどを整理することで、今後どのようなキャリアを歩みたいかを考えることができます。また、このジョブ・カードは履歴書や職務経歴書へも内容を抜粋して流用できますので、一度整理しておくと、何度でも活用することが可能です。
詳しくは、マイジョブ・カード[厚生労働省]<外部リンク>で確認できるので、ぜひチェックしてみてくださいね。